これからのセキュリティの方向性のキーワード “ネットワークカメラのクラウド化”の実現で注目を集める『AiSTRIX』

(株)朝日ネットがISPならではの技術力を活かしたネットワークカメラのクラウド化を実現した、日本唯一のクラウドカメラソリューション『AiSTRIX』。安定したセキュリティを実現するものとして期待されている。そこで同社取締役・溝上聡司氏、システム一部・ラピー・ステファン氏、さらに2016年11月に販売パートナーに加わった(株)日立国際八木ソリューションズ取締役・名取和也氏、映像システム推進プロジェクトマネージャー・陶山一輝氏にサービスの特徴や今後の展開について取材した。

専用のアクセスラインを用いることで
ネットワークの脆弱性をシャットダウン

――まず、朝日ネットの概要についてご紹介ください。
溝上 1990年にパソコン通信のベンチャーとして創業しました。その後、90年代半ばにISP(インターネット・サービス・プロバイダ)事業を柱として展開し、現在に至っています。業界内で再編などの様々な動きが起こっていますが、当社は大手のメーカーや通信キャリアに属さない独立系の老舗ISPであり、経営や開発に対し自分たちがこだわりを持てる環境下で、極めて安定したネットワークを世の中に提供していることを自負しています。
――なぜネットワークカメラのクラウド化に取り組まれたのでしょうか。
溝上 もともとはコンシューマー向けにサービスを展開していたのですが、数年前から法人向けに事業を拡大するべく市場調査を行ったところ、監視カメラシステムのインフラへのニーズが高いことに気づきました。 ラピー さらに、システムの運用についてはネットワークを活用して遠隔でシステムを運用したいというニーズが一定数あることが分かりました。機密性や可用性、完全性などが今後はより重要視されるのではという結論に至り、当社のISPで培ったネットワーク技術とクラウドを融合させたソリューションの企画が浮上したのです。
溝上 当社ではすでに教育機関向けのクラウドサービスで実績を有しており、スキルのある技術者も擁しているのでクラウドサービス自体の開発には自信がありました。しかし、映像データを管理するシステムについては経験がなく、そのような技術及び経験を豊富に持つパートナーとの協業を模索していたところ、オープンプラットフォームのVMS(Video Management Software)をグローバルに展開しているデンマークのMilestone Systems社の存在を知りました。そこで2015年6月24日に同社と戦略的な業務提携を締結し、同社製品『XProtect Corporate』をベースにソリューションを展開することになりました。
ラピー 同社との協業については、同じメーカーとしてエンジニア同士の相互理解が早いという点がメリットとして挙げられます。プロダクトの構築や機能の拡張などについてもコミュニケーションをスムーズに取ることができました。私たちは映像データの管理についての知識・経験は豊富ではありませんが、Milestone Systems社もネットワークやクラウドの知識については同様です。互いに持っている知識や技術を出し合い、取り組んだ結果、自信を持ってお勧めできるサービスとして生み出すことができたと自負しています。
――『AiSTRIX』の特徴についてご説明ください。
溝上 セキュアな運用が可能という点が第一に挙げられるでしょう。専用のアクセスラインを構築しており、インターネット網を介さないため機密性が保持されており、外部からの攻撃やのぞき見などの様々なリスクを回避することができます。
ラピー 身近な事例を挙げると、ある駐車場で強盗事件が発生したのですが、設置されたネットワークの監視カメラが外国のサーバ経由で攻撃を受け監視不能となっており、その間に犯行が行われるという事案がありました。しかし、『AiSTRIX』ならそのリスクもありません。
溝上 外部からのアクセスを許さないということは、映像を改ざんされる恐れもないということです。また、映像データは回線にかなりの負担をかけることになりますが、膨大なネットインフラを長年扱うことで培ってきた当社独自のノウハウにより、安定した運用も可能にしています。ジャンルを問わず監視システムの構築を要望されているお客様にお勧めできればと思っております。

クラウドをキーワードに
新たなマーケットへアピール

――『AiSTRIX』はパートナーの拡充にも努められているそうですが、今回新たに日立国際八木ソリューションズ様と連携されるとのことで、まずはその理由についてお聞きします。
溝上 このビジネスをスタートするにあたって、エンドユーザーに向けて幅広く展開していきたいとの思惑がありました。しかし、映像は新規参入の分野であり、販売網の拡充にはパートナーとの協力は不可欠との判断もありました。サービス開始に先駆け、どのような分野で引き合いがあるかを調査したところ、河川や港湾などの公共系の監視など、自治体向けのシステムにおけるニーズが根強いこともわかりました。そのジャンルでベストなパートナーを探していたところ、たまたま自治体向けにWi-Fi環境により災害情報の収集や配信を行なうサービスなどを提供されている日立国際八木ソリューションズ様の存在を知ることとなりました。 全国に事務所を構えられており、サポート体制も充実していることも決め手となりました。パートナーとして頼りになる存在であると感じています。
――今回の協業で、日立国際八木ソリューションズ様が生かせる強みについてもお聞かせください。
名取 やはり、親会社の(株)日立国際電気が提供している防災行政無線システムは全国の多くの地方自治体で採用されておりその高いシェアが挙げられると思います。弊社が提供している自治体向けの『観光・防災Wi-Fiステーション』などと防災行政無線システムと連動することにより特徴あるシステムを提供できるものと思っています。観光・防災Wi-Fiステーションについては国からも整備促進のための補助金が支給されています。そこに、クラウドを活用したシステム構築での提案として全国展開への活路を見いだせるのでは、と期待しています。また、当社が扱う映像統合ソフトウエアについてもMilestone Systems社とパートナー提携をしており、ベースのソフトウエアとしても馴染みがあることも大きかったですね。高度な要求にも応えうることのできる監視システムを構築できるのでは、と考えています。
陶山 日立グループだけでは顧客のニーズに応えられないものに対して、外部の技術やシステムなどを取り入れたうえでソリューションとして提供する、というのが当社の事業の特徴でもあります。その意味でも、協業のメリットは十分にあると考えます。 名取 また、自治体向けの観光・防災Wi-Fiステーションシステムを提案する際に、ここ数年クラウドがキーワードとして挙げられるようになりました。ただ、当社としてはまだまだ新たな領域ということで、ソリューションとして提供するには知識・技術ともに不安が残ります。その意味でも、『AiSTRIX』の販売パートナーに加わることで積極的にクラウドを活用したソリューションのノウハウを吸収できればという思いもあります。
――最後に今後、アピールしたいマーケットなどについても伺えればと思います。
溝上 今回の協業では、日立国際八木ソリューションズ様が得意とされる自治体に向けたプロモーションに積極的に取り組んでいます。なかでも、小中学校などの教育関係からすでにお問い合わせなどが寄せられています。
陶山 安全・安心な環境への関心も高いことから、学校の校舎や校門、さらには通学路などの監視システムとして提案できればと考えています。ある教育委員会ではクラウドというサービスに対する興味を示されているところもあるので、積極的に提案していくつもりです。朝日ネット様とのパートナーシップにより、より多くのお客様にご提案できればと思っています。

(株)朝日ネット
http://www.aistrix.com/