やけくそ万防日記8 万防機構の設立からこれまでを振り返って

さて、今回は、当機構設立の当時から、事務局長として組織の要になってきた、福井 昻さん(78歳)に登場いただき、設立の経緯からこれまでの活動を概観していただき、愚痴のない淡々とした振り返りをお知らせしたいと思います。
その福井さんとともに、万防機構の立ち上げから、様々な形で万引防止活動をご支援されてきた高千穂交易の戸田前社長がこの2月7日になくなられました。享年70の若さでした。彼は、社会的正義感にあふれ、頭脳明晰で、言葉少ない方でしたが、必要な時に必要なことを端的に話され、また、実行に移されるという、私には武士を思わせる風格のある方でした。当機構がここまでやってこられたのは戸田さんのおかげです。体調を崩された中でも最後まで万防機構の組織の強化に心配りをしていただき、頭の下がる思いです。ここに深い感謝の意を表し、ご冥福をお祈りいたします。

「万防機構を設立した平成17年は万引認知件数が153,972件と急増した年でした。平成14年には万引犯を追跡したコンビニの店長が刺殺された事件や川崎の書店で万引した少年が逃走時に電車にはねられ死亡した事件が発生し、万引犯罪の深刻さが世間で認知されるきっかけになったと思われます。同年には日本EAS機器協議会(現・日本万引防止システム協会)が設立され、万引防止の機器を扱う会社の団体としてスタートしています。
そんな折、平成15年6月に竹花豊氏が東京都副知事・青少年・治安対策本部長として就任されました。間もなく、日本書店商業組合連合会の方々が万引犯罪の現状を上申され、経済産業省出身の佐藤聖氏(現在も理事としてご活躍)と私が担当していた日本EAS機器協議会の立場で、万引の撲滅のためのお話をさせていただくなど、大きな動きが生じてきました。主な関連業界の方々が集結しつつあり、同年の年末の12月25日に東京都万引防止協議会がスタートしました。この日は14時にスタートし、予定の2時間を大幅にオーバーし18時30分まで続き、終わることの無い熱心な議論になりました。
2回目以降も、毎回4時間近くの会議になりました。そのまとめとして、平成16年7月に「万引をさせないための行動計画」(このシリーズの第3回にほぼ全文を掲載している。)を発表しました。この東京都万引防止協議会の流れを引き継ぐ形で、日本書店商業組合連合会の丸岡会長、CDVJの若松専務理事、三洋堂書店の加藤社長、日本EAS協議会の山村会長及び小売業団体の方々を中心に全国万引犯罪防止機構の設立の準備をし、理事長に元東京地検特捜部長で、弁護士として、テレビなどにもご出演されていた著名な河上和雄氏に就任いただき、平成17年6月23日に設立し、特定非営利活動法人としての申請を行い、同年12月末に承認され、翌18年1月13日に法人登記しました。当初の理事は、河上和雄、加藤和裕、山下力、山村秀彦、若松修、丸岡義博、
近藤泰彦、佐藤聖、福井昂の9名で幅広い方々にご参加いただきました。事務所は、高千穂交易㈱の一角をお借りしました。
平成17年の万引犯罪の認知件数の内、青少年が40%を占めており、万引犯罪は青少年の問題と捉えられていました。従って、万防機構がまず行ったことは、万引犯罪の基本になる調査として、全国の学校を対象にした“青少年に対する万引きに関する意識調査”でした。平成 年から、47都道府県の小学校5年50名、中学校2年100名、高校2年100名を抽出した学校(意味がわかるようにしてください。)に対して協力を頂き、毎年行いました。文部科学省と警察庁の協力を得て回収率は毎年93%超え、12,000名の回収が続く調査となりました。この調査を11年継続しました。今年はこの調査の総括と今後方向を決めようとしています。
合わせて、万引被害の現場となるお店の万引犯罪の実態を、平成18年から12年連続で、調査して公表してきました。対象は全国の小売業の本社1700~1800社に対して調査の依頼をし、約600社の回答を得て実施してきました。万引被害の実態を把握させていただきました。
一方、広報の手段として「万防時報」というA4・8ページの機関誌を年に1~2回の発行で、万防機構の報告とPRをしています。これまでに、臨時号も入れて24回発出しました。ホームページも常時更新しています。
全国的には平成14年に、全国に先駆けて宮城県において、「宮城県万引き防止対策協議会」がスタートし、「万引防止モデル基準」が作成されて、全国のモデルになりました。
平成18年5月には刑法第235条に罰金刑が加えられたのは、万引犯罪を念頭に置いたもので、大きな期待を寄せることになりました。この法改正は、法務省への「東京万引防止協議会」からの提言を、竹花副知事が法務省に持ち込んだことがきっかけになっています。
平成18年11月23日には、北海道警察本部樋口本部長(現当機構副理事長)から、「安全・安心まちづくりシンポジューム」開催に際し、万防機構の初代理事長河上和雄氏に講演依頼をいただき、続いて平成19年3月19日に「北海道万引防止ウイーブネットワーク」が誕生しました。
加えて、全国に先駆けて、平成19年6月に「北海道万引防止ウイーブネットワーク」から、道警の生活安全部長に「万引き全件届出宣言」が提出されました。また、平成21年12月に警視庁に於いて、「東京万引き防止官民合同会議」がスタートしました。続いて、平成22年10月に警察庁が全国万引防止官民合同会議を開催し、全国に万引犯罪の全件届出が宣言されました。同時に万引被害届の簡素化が実施されたのでした。同時に、先の小売業調査に基づき、全国の万引被害が4,615億と推定されると発表しました。
平成23年4月に古物営業法施工規則の改正が行われ、書籍やCD・DVD等について値段にかかわらず本人確認や帳簿等への記載を義務附けられました。
平成24年2月に万防機構からの緊急提言として、①マイバック普及に伴う万引犯罪の万引犯罪の増加への対応に関する提言、②万引品処分市場対策に関する提言、③万引窃盗犯の「店内確保」の推進に関する提言を行った。
平成25年6月の通常総会に於いて、竹花 豊氏が副理事長に、樋口建史氏に顧問に就任いただきました。この総会における、河上理事長の挨拶のなかで、「万引の検挙・補導件数に関して、65歳以上の高齢者が少年を上回りました。人口構成比をはるかに超えた割合での増加は異常と言えます。この問題で海外のメディアの取材があるのは、多くの国が直面する高齢化社会の行く末を案じてのことと思います。もはや万引はお店や警察だけの問題ではなく、あらゆる地域やすべての人に関わる問題です。高齢者は国の宝です。人生を謳歌し、最後の瞬間まで、他の人のことを考え、思いを寄せる生き方を全うしてもらいたい。孤立化する高齢者を一人でも減らすために社会が、そして個人が何をなすべきかを考える時期に来ていると思います。難しく考えず、まず、あいさつを励行しませんか。」と訴えられました。
同年から、平成30年まで、(一財)日本宝くじ協会の助成を得て、全国の中学校に対して「万引き防止啓発のための壁新聞」を行いました。この事業は6年継続実施しています。この事業は毎年、全国の中学生に対して万引は決してやってはいけない犯罪であると訴えてきました。毎年、約360万人の中学生に対して継続的に行うことによる効果は大きいと考えています。
同年に(公財)日工組社会安全研究財団の助成を得て「地域の万引犯罪防止対策活動調査」を行い報告書として発行しました。
平成26年1月には「万引防止年間チャート」を発表し、万引防止のためにどの月は何に気を付けるべきか等を広く示しています。
同年の「平成26年版犯罪白書において、特集として~窃盗事犯者と再犯~と云うことで万引犯罪問題がクローズUPされました。
平成27年2月に河上理事長がご逝去されました。丁度10年間にわたり、万防機構を牽引いただきました。引き続き同年3月に竹花豊氏が理事長に就任しました。
同年には、万防機構・緊急提言第2弾として、①高齢者万引対策に関する提言、②防犯画像の取り扱いに関する見解についての提言、③集団窃盗等の情報の取り扱いに関する提言を行いました。
同年10月には米国のフロリダ州ボカラトン市に於いて開催された「常習万引・集団窃盗未然防止サミット」に、竹花理事長以下5人が参加しました。
このサミットの流れを引き継いで、平成29年3月9日~10日に「万引対策強化国際会議2017」を開催し、「万引対策強化宣言」を発出し、万防機構が万引対策の実行部隊として、大きく方向転換しました。
平成30年6月には樋口建史顧問が副理事長に就任いただき、ますます充実した万防機構を目指すこととなりました。
加えて、平成31年2月に事務所移転及び人員補強を行います。体制を整えてゆきます。
今後の動向を注目いただきたいと思います。

ちょうど2月12日に万防機構の事務所が移転しました。また、事務局長代行として、元警視庁捜査第一課長の光眞章氏を招請しました。
本格的な取組みが始まりますので、資金面でも皆さんのご支援が必要です。この場を借りてお願いいたします。
次のような新事務所の案内を配布いたします。ぜひ、気軽のお立ち寄りください。

特定非営利活動法人全国万引犯罪防止機構の移転のお知らせ

1. 移転先:〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台1丁目2番地
書店会館4階
2. 移転日:2019年2月12日(火)
3. 電 話:03-5244-5612
4. FAX:03-5244-5613
5. メール:変更ございません。 info8@manboukikou.jp
6. 事務所近辺の地図(レ点の場所が新事務所)

 

 

 

 

 

 

 

7. 現在の事務所は四谷分室として、今後も打ち合わせ等で活用いたします。

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