やけくそ万防日記18 —————万引対策の希望の年に!

さて、この日記も最終局面を迎えております。次週には当機構発足15年の総会が開かれ、その際に当面の万引防止対策を議論する予定です。それ迄にこれまでにも少し触れてきた、顔認証機能を利用した万引防止の新たな取組みが開始されればよいのですが、最後の詰めが行われています。その内容は正式にスタートする時にご説明することとしておりますが、この日記の最終章にできればと思っています。
ところで、今回は、私が今年の新年に当たり、ご挨拶をしたものを紹介しておきたいと思います。これまでの日記の要約版というべきものですから。
この挨拶のなかに、当機構の事務局体制が強化される予定だと書きましたが、既に新たに3名の方にお越しいただき、これまでの2名を加えると合計5名の体制となっております。一人は現職の警視庁警部であり、一人は元警視庁捜査1課長です。そしてもう一人元女性警察官の方が加わってくれました。これまでやりたいことがあっても人手がなくて残念に思うことが多かったのですが、これからは何倍もの力で事に当たっていけるでしょう。
その活動に要する経費や人件費を確保しなければなりません。特別会員(法人会員の年会費5万円の10倍から20倍の年会費をお支払いいただく方です。)になっていただき、当機構を応援する方々が次第に増えてきております。ありがたいことですが、まだ必要な額の半分程度というところです。読者の皆さんにもぜひ当機構の会員となっていただくとともに、特別会員になってくださる方をご紹介いただけると大変助かります。よろしくお願いいたします。

「2019年の新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
さて、全国万引犯罪防止機構は、2005年に設立され、今年の6月で15年目に入ります。この間、懸命に万引防止に取組んできたのですが、これも多くの方々のご支援、ご協力があったればこそと感謝しております。
にもかかわらず、残念なことに、万引犯罪は大きく減ることはなく、形を変えて被害者を苦しめ続けています。昨年は、一時減少が顕著だった青少年の万引きのうち、東京を中心に、小学生によるものが増加に転じたのは、大きなショックでした。この兆候は当機構が毎年実施してきた青少年の万引に関する意識調査にも現れており、これまでの啓発活動を見直し、また、本腰を入れなければならないと思っております。
それも含めて、万引きというものは、放っておけば、ただ増え続けるばかりという、いわば自然増殖方の犯罪類型のように思われます。あきらめたら増えるばかり、そんな性質を知った上で、たいした効果がないとあきらめずに、万引対策をやり続けなければなりません。今は拮抗している犯人たちとの戦いを勝利に結びつける流れを作り出していきたい、そんな1年にしたいと決意しております。
そのためには、小売業界における対策が一層強化されるとともに、警察をはじめ、関係行政、団体等の連携強化がますます必要になってきています。当機構はその中心を担っていきたいと考えており、警察関係者の協力を得て、春先から当機構の体制は一気に強化されることが決まっております。必ずや、新しい風を吹かせることができると希望を持って新年を迎えています。
その方向は、昨年のご挨拶でも申し上げたとおり、「万引対策強化国際会議2017」で採択された強化宣言の6項目です。
昨年は、各分野で着実に進展を示してきました。被害者間での情報共有の動きは、様々な壁を乗り越えつつあり、春先からいくつかの花が開くことを期待していてください。ロスプリベンションに関わる課題は、既に関係のビデオの作成が終わり、小売業の各店舗の皆様に広く見ていただく運びとなっています。万引きによる対応に伴う損害を店舗において直接犯人に請求する取り組みについては、成功例を基に、法律的な問題をクリアーする方法を紹介するパンフを作成して、被害者の皆さんの幅広い取り組みを呼びかけています。
万引した商品の処分先の一つとなっている、インターネットオークションやフリマについては、関係企業、警察、被害者及び当機構の本格的な連携が始まっており、この成果も遠くないうちに明らかにできるでしょう。万引き防止のためのAI活用も進んでいます。万引Gメンの役割も改善、強化の方向が見えてきました。なかなか対策の難しい高齢者による万引については、再犯防止の取組みを始めた県が出てきており、当機構が支援することにしています。
このように、当機構設立15年を迎える本年は、関係者のこれまでの様々な努力が多少は花開くのではと、私自身も期待しているのですが、他方で、まだまだだな、大きな転機になるには力が足らないなとじりじりもしています。それは、万引問題に関する世論の支持がなかなか広がらないということです。そんなに被害はひどいのか、そんなに悪質なものがあるのか、それは社会的にも放置できない問題だというような強い世論の形成にはいたっていないというのが現状です。昨年は、「万引き家族」という映画が評判を呼び、万引きが話題になったとは言うものの、それがきっかけになって万引きを本格的に取り上げようという動きはほとんどないといってよい状況です。世論を味方につけることの重要性を我々はかみ締めなければならないと思います。
悔しい話ですが、まだまだ、万引きは小さな問題と受け止められており、その対策もおっかなびっくりといってよいところが目立ちます。もっと堂々と、万引被害は小売業を苦しめ、社会に害悪をもたらしている、だから、しっかり対応するのだ、と自信を持って、率直に対処することが必要です。我々は、こんなことをされているのだ、こんなに被害があるのだ、防止は本当に難しく、危険を伴うこともあるのだと被害者がもっと声を上げなければ、理解を広げることはできないでしょう。
当機構はそんな声を広く届ける試みを始めます。当機構のホームページに、私の名前で、「やけくそ万防日記」を連載します。なぜ、“やけくそ”なのか、それは1月7日に始まる連載をご覧ください。
皆様のご健勝、ご活躍を祈念して、新年のご挨拶と致します。」

連載に関するご感想、ご相談はこちらまで(万防機構サイト)
https://ssl.alpha-prm.jp/jeas.gr.jp/contact2/