日本実務出版 「安全と管理」「展示会情報」「セキュリティ産業年鑑」「防犯機器情報」  
 
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携帯電話の利用マナー違反をもれなくキャッチする新技術

学会などでは発表されながらも一般的には知られておらず、製品化となれば一大センセーションとなる事は間違いなしの画期的な新技術を紹介し、本誌でも人気の高い『技術の夜明け 耳寄り情報室』の連載も節目の10回目を迎える。今回紹介を行うのは『携帯電話利用警報装置』である。携帯の電波を帯域でキャッチし、機種や使用時間などのデータも計測することが可能であるという、これまでにない画期的な新技術として注目される。

受信装置から10m以内の携帯電話の電波を感受

 携帯電話の急激な普及と同時に、利用者のマナーの悪さもかねてから問題視されていた。
 しかしながらMRIやCTなどの磁気情報を扱う病院や、不特定多数の人々が利用する電車などの公共機関など、携帯の電波により様々な問題が生じるスペースも多い。
 だが、人間が使用者に直接注意をする事で新たなトラブルを招く恐れもあり、しかるべき場所での携帯電話の使用を制限できる有効な手立てが切望されていた。
 そこで、信州大学病院手術部の古畑貞彦教授のグループが開発を行ったのが『携帯電話利用警報装置』である。
 電波受信装置の本体から約10m以内で発生した携帯電話からの電波を感受するというもので、帯域のほか強度や時間なども記録可能。
 大学生協の食堂に試験的に設置し、どの時間にどのような使われ方をされているかについて調査を行ったところ、各帯域や使用時間、電話の種類などのデータを得る事ができ、環境を分析するに十分という結果が得られたという。
 信州大学病院では外来の待合スペースなどの使用禁止区域に装置を設置し、携帯の電波をキャッチするとパネルが点滅したり、音を出すなどの警告を行い、使用者に注意を促すなどの工夫を行っている。
 電波の発生状況をキャッチする事は原理的にはそれほど難しいものではない。
 だが、各帯域ごとの使用状況、たとえばキャリアや機種まで特定することができ、しかも使用時間の記録などの機能をまとめて一つのパッケージとして完成させたものはこれまでになく、非常に画期的なものであるといえる。

データの流出や盗撮などの犯罪もキャッチ可能に!
 もともとは病院内での使用を制限するために開発された装置だが、技術力を持つ企業とのコラボレーションにより、機器のダウンサイジングを図り人の目に触れない形での設置ができれば、たとえば精密機械などが装備された飛行機の中での使用、携帯には当たり前となった付属のカメラを用いた公共施設での盗撮、さらにはデータセンターなどでの機密情報のデータの持ち出しや盗聴などといった犯罪防止装置の開発の期待が高まる。
 周波数や機種のほか、電話番号の特定までを行うことができれば、単なる警告装置ではなく、利用者に信号を送り直接警告を行う事も可能となるほか、携帯の利用そのものを強制的にストップさせるところまで実現できる可能性もある。
 特別な壁材を使用できず、電波を遮断できない既存の建造物であっても装置を置くだけで携帯電話の使用を抑えることができ、コストをかけずにセキュリティを高めることも可能となるのである。
 また、ローミング(契約しているキャリアのサービス範囲外でも使用を可能にする)機能がつけば“追尾”も可能となり、他の電波(ワイヤレス無線、RFIDタグなど)の使用状況のほか、本や服などタグがついているものを持ち歩いている人の動線管理、いわゆるGPS的な機能としての利用も可能となり、さらに利用範囲を広げる事ができるのだ。
 アイディア次第で無限の可能性を秘める新技術。
 関心を持たれた方はぜひともお問い合わせいただきたい。

情報提供者
石田 益朗氏
特定非営利活動法人MiTTS(医療情報・ 安全管理・教育システム推進協会)理事

月刊「安全と管理」2009年4月号掲載

 
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