通算26年間、警視庁刑事部捜査第三課において窃盗事件捜査に従事し、現在は(財)都市防犯研究センター特任主任研究員として勤務しながら、全国防犯協会連合会・日本防犯設備協会等の業界団体、都民・市区町民の防犯ボランティア・安全安心の集い等の講演会の講師をつとめる富田俊彦氏の連載が始まる。犯罪手口の変換と防犯技術の動向を紹介していただく。
窓の役割 住宅の窓の機能は風雨を防ぐ、防音、防火、防虫、採光、遮光、断熱、通風、換気など多くの役目があります。 その他に屋外の景色を眺めて四季を感じるなどの効果があり、取り付け場所の環境や用途によって窓の種類は異なります。
今、世界中で地球温暖化防止をテーマにして取り組んでいるところですが、住宅の窓がエコロジーに果たす役割は大きなものがあります。 一方、窃盗犯人は窓から不法に侵入することが多く、家の安全が脅やかされています。 一般住宅における空き巣事件では、窓からの侵入が一番多く、侵入箇所全体の60.5%を占めており、不法侵入者を阻止するためには、窓の防犯性能を高めることが最も重要なことです。
防犯性能の高いCP部品の窓 防犯性能の高い建物部品(CP部品)に認定された「サッシ窓・面格子・窓用シャッター」は、次の各項目に合致した構造であり、強化対策された性能の高い建物部品です。
[引き形式のサッシ] ○戸と戸の拘束は2点拘束とし、戸2枚毎にロック付きで補助錠各1個を装備したもの。 ○戸のはずれ止め構造にしたもの。
○召し合せ部は煙返しを設置したもの。 ○防犯合せガラスの飲み込幅寸法は10ミリ以上のもの。 [面格子] ○格子の固定強度とネジ外し防止対策をしたもの。
○格子の切断対策した強固な桟であること。 ○格子の取り付け部を補強材で強化したもの。 [窓シャッター] ○スラットの板厚を強化して切り破り対策したもの。
○ガイドレールを強化してこじ開け対策したもの。 ○複数錠を設置して施錠強化したもの。 などの改善・強化対策がされており、窓の防犯性能は確実にレベルアップされています。
我が家のエコロジーとCP対策 お風呂場は湿気ることから換気のために窓を開けておく家庭が多くありますが、この窓の格子を破って侵入する忍込み事件が発生しています。
最近、私の家では風呂場をリフォームしました。 窓にはCP格子を取り付けました。 CP格子が頼りになりますから、このところの熱帯夜などは窓を開け、夜間も自然の涼しい風の中で気持
ち良く休むことができます。 CP格子のおかげで、自然の風を感じるエコロジーを実現することが出来ました。 また、お風呂場の換気扇や夏の暑い夜のクーラーによる電気エネルギーの消費も抑えられました。 泥棒もてこずり、侵入をあきらめるCP格子を取り付けたことで、安心と安全を買ったという実感だけでなく、快適で地球に優しい暮らしが出来るようになりました。
これからの窓のあり方 防犯対策では堅牢な物、高価な物だけを選ぶのではなく、バリアフリーを優先したり、環境に優しい合わせ複層ガラスの窓、通風、換気を考慮した面格子、ブラインドシャッターやオーニング窓、煙返しを備えた震災や災害に強いアルミサッシ窓を選ぶなど、それぞれの用途や性能に応じて、エコロジーに配慮した窓の住宅部品を選定して設置することが求められています。 「省エネ建材等級表示制度」は断熱、遮光など環境に配慮して、ガラスやサッシ窓に一定基準を定め、これに合格して認定された製品には「省エネ建材等級ラベル」が貼付されます。
合せ複層ガラスや煙返しが設置された防犯性能の高いCP窓は防犯対策だけでなく、省エネや環境にも適合しているので安心して使用できます。 これからの防犯対策は人にも優しく環境にも配慮しなければなりません。 窓が人の生活に果たす役割が大きいことを理解し、機能や強度・安全性を知って選定し設置することが求められています。 侵入犯罪の抑止には、国民一人一人が防犯意識を持って窓の防犯対策をとることが大切です。
●プロフィール 現職:財団法人都市防犯研究センター特任主任研究員 (元 警察庁広域技能指導官・警視庁刑事部捜査第三課勤務)
経歴:1943 静岡県生まれ 1962 警視庁入庁 1969 日本大学法学部卒業 2001 警視庁技能指導官・警察庁指定広域技能指導官
2004 警視庁退職後、警視庁捜査第三課嘱託員 2008 都市防犯研究センター勤務 月刊「安全と管理」2009年9月号掲載 |